はじめに

フィロソフィ(考え方)がなぜ必要なのか

フィロソフィは、業務マニュアルを超えた「考え方」の規範となります。
私たちの会社は、高邁な大義と理念のもとに経営しています。この理念を遂行し立派な会社となって運営していくためには、正しい考え方、善き心(フィロソフィ)を理解し、身につけて、日常の行動をこのフィロソフィに沿ったものにしなくてはなりません。
「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」(稲盛和夫)
人生や仕事の結果は、考え方と熱意と能力の三つの要素の掛け算で決まります。1×0=0のようにどの要素が欠けても良い結果はでません。「能力」とはあらゆる才能のことで、肉体的なものも含まれ先天的な要素があります。「熱意」は、こうありたいという思いですから、自分の心の持ちようで変えることができます。さらに「考え方」は、プラス百点(善い考え方)からマイナス百点(悪い考え方)まであり、三毒(欲望・愚痴(不平不満)・怒り)といった否定的な思い持つとマイナスになり、明るく前向きで人間として正しい考えを持つとプラスになります。つまり、いくら能力が優れ、熱意があっても、その考え方次第で人生や仕事の結果は、180度変わってしまうということを表しています。よって、人生や仕事には、能力や熱意とともに、人間としての正しい考え方、善い考え方を持つことが何よりも大切になるという方程式です。チームで事を成そうとする場合、そのメンバーの心(考え方)がひとつにならなければいけません。もちろんその考え方(心)は正しい心、善き心でなければプラスの結果となります。
では、正しい心(考え方)、善き心(考え方)とは何でしょうか?この考え方の基本を示したのがこのフィロソフィなのです。しかし、このフィロソフィは「読んだ」だけ、「分かった」だけ、「知っている」だけでは、知らないとまったく同じであり意味がありません。よって、自分の肉体にしみ込ませ、どんな場面でも無意識にフィロソフィを生かすことが出来るように「血肉化」するように努めなければいけません。
ただ、このフィロソフィを偉そうに示している私自身も、これを完全に実行できた試しはありません。しかし、これから一生涯をかけてでも実行できるよう、みなさんと一緒に努力をしていくつもりです。もし、出来ていない時には遠慮なく注意して下さい。大切なことは、このフィロソフィを体得できたか、できないかではなく、こうありたいと願って常に反省し、なんとか体得(血肉化)しようと努力して欲しいと思います。そして、いつの日か立派な考え方を持ったリーダーが組織の模範となり、会社を大きな発展へと導いて欲しい。さらには、みなさんの人生にも大いに役立つと願っております。さあ、このフィロソフィを体得すべく、日々反省する毎日を一緒に送りましょう!
「心(考え方)が変われば行動が変わる、行動が変われば習慣が変わる、が変われば人格が変わる、人格が変われば運命が変わる。」(ウィリアム・ジェイムズ)

盛衰循環図(考え方の推移図)

フィロソフィ

1、人生・仕事に、明確な夢や目的を持つ。

なぜ生まれてきたのか?何のために生きているのか?生きる理由や目的を考えると、人間の本質を追究することになります。
生きる夢や目的を考えることは非常に大切なことです。考えることを止めることなく、逃げることなく、心に明るい未来を描き、人生・仕事の夢、目的を明確にしましょう。
なぜなら、夢や目的を描き、創意工夫を重ねて、ひたむきな努力を重ねている人は、その人格が磨かれ人間的に成長するからです。夢や目的を抱けない人は、残念ながら創造や成功がもたらされることはなく、人間的な成長もないでしょう。
夢や目的を持つことで、その思いが理想となり、計画が出来上がり、チャレンジする実行力が湧き、いつしか夢が生きがいとなって、毎日が光輝く日に変わり、人生を生きていくためのエネルギーになるでしょう。


夢を描けない人は
・好きな人のことを思うと、二人の夢が出来ます。
・配偶者のためを思うと、夫婦の夢が出来ます。
・親のことを思うと、親を幸せにする夢が出来ます。
・家族のためを思うと、家族のための夢が出来ます。
・お客様のためを思うと、お客様を喜ばせたいという夢が出来ます。
・チームのためを思うと、チームの目標という夢が出来ます。
・日本のためを思うと、日本を良くしたいという夢が出来ます。
・地球のためを思うと、地球を良くしたいという夢が出来ます。
つまり、自分のことだけ(利己)を考えていると、夢を描けなくなります。自分以外の人の幸せ、世のため人のため(利他)という思いが、夢を描くきかっけとなります。

2、大義のある夢を描く。

夢や目的は、その大きさではなく。その「質」がたいへん重要です。純粋な心をベースに描かれた質の高い「高次元」な夢であってほしいと思います。
その夢や目的が、「私利私欲」「利己」から端を発したものだとしたら、人々から協力を得ることは難しいでしょうし、低次元の夢や目的では、簡単に満足をしてしまい努力も怠ってしまうでしょう。
しかし、高次元の大義ある夢や目的であれば、人々が賛同し、やがてその夢は仲間や集団の夢となり、強大なパワーになり、成功へ導いてくれるでしょう。
成功への道のりは、幾度かの困難に立ち向かわなくてはなりません。自分のためではなく、純粋な心をベースにした高次元で有意義な夢や目的であれば、その誇りが、難局に立ち向かう為の大いなる勇気となり、この有意義な夢や目的をなすことに喜びを感じ、人生最高の幸福感を味わうでしょう。
「偉大な人物の行動の成功は、その行動の手段によるよりも、その人の心の純粋さによる」インドの聖典「ヴェーダ」

3、未来は素晴らしいと信じる

自分の未来には、輝くようなすばらしい幸運が待ち受けていると信じそれを少しも疑ってはいけません。
人生とは、たったそれだけのことなのに人々は知らない。知らないがために、みんなが迷っている。
それだけのことを信じて生きていれば、すばらしい人生が開けることを。
明るい未来を描き、積極的な心で人生を送れば
理想を超えるような、必ずすばらしい人生を送ることができます。
そして、常に明るく前向きで積極的な心は、組織や集団にも明るい雰囲気を醸成することもできるのです。

4、人間は誰でも無限の能力を持っていることを信じる。

新しいことを成し遂げる時には、今の能力で「できる、できない」と判断せず、自分の能力を未来進行形でとらえ、「人間の無限の可能性を追求する」「人間の無限の能力を信じる」こと。そして、地味な努力を積み重ね実践するこの一点しかありません。と同時に、常に創意工夫、進化発展成長をすることです。能力を活かせなかった、伸ばせなかったのは、その能力を信じて磨く努力をしなかっただけです。自分の能力を磨き続けていく姿勢さえあれば、どんな夢も実現させる能力を備えることが必ず出来ます。要は信じるか信じないかです。

5、高い目標と計画を立て成功を信じる。

人間はえてして易きに流れてしまいがちです。ギリギリに追い込まれなければ、人は考え行動をしません。自ら高い目標を設定し、あえて自分を窮する状態、困った状態に追い込み、必ず達成できると信じれば、理想を超えるような結果が生まれます。高く厳しい目標や現実から逃避するのではなく、もがき苦しむ中で「何としても」という精神状態に自らを追い込んでいけば、ふだん見過ごしていた現象にもハッと気づき、単なる「思いつき」ではなく、ひらめきや解決の糸口が見つけられるようになっていきます。さらに、普段では考えられないような力(火事場の馬鹿力)を発揮し、驚くような成果を生み出すことができます。「窮すれば通じる道は必ずある」「不可能だ」などと疑念を抱かずに、「絶対にできる」と信じ抜き、高い目標を抱きましょう。低い目標を立てた人はそれ以上の結果は得られません。それなりの人生と結果のみです。「人生の結果は、あなたの心のままを描きます」

6、見えてくるまで考え抜く。

夢や目標を実現するためには、その実現に至るプロセスを何度もシミュレーションし、疑いや恐れが一点も残らないまでに、考え抜くことが必要です。「見えてくるまで」とは、何度も何度も頭の中でシミュレーションを繰り返していると、ついには夢と現実との境がなくなり、まだやっていないことが、あたかもやれたかのように感じられ、次第に疑いや恐れが消え、やれるという自信が生まれてきます。これが「見える」という状態です。こうして「見えてくるまで考え抜く」ことで、よい結果が必ず生まれます。
【因果応報】
「思念は因、原因をつくり、その原因は必ず結果を生む」これが「因果応報」です。ものごとの結果は、心に何を描くかによって決まります。「どうしても成功したい」と心に思い描けば成功しますし、「できないかもしれない、失敗するかもしれない」という思いが心を占めると失敗します。心が呼ばないものが自分に近づいてくることはなく、自分の周囲に起こっているすべての現象は、自分の心の反映でしかありません。よって、「人生は心に描いた通りになり、心に描いた通りのものが現象として現れます」心に描いたこと、心に思ったことが悪いものであれば悪い結果になり、良いものであれば良い結果になってしまいます。
「人間を目標に向かわせるパワーは、自分はそれを達成できるという信念から生まれます。疑いや恐れは、その信念にとって最大の敵です。」(ジェームズ・アレン)
「青春とは人生のある時期を言うのではなく心の様相を言う。
優れた想像力、たくましい意志、燃える情熱、勇気、易きを捨てる冒険心、こう言う様相を青春と言う。
人は信念と共に若く、疑念と共に老いる。
人は自信と共に若く、恐怖と共に老いる。
希望ある限り若く、失望と共に老い朽ちる。
大地より、神より、人より、美と喜び、勇気と壮大、偉力と霊感を受ける限り人の若さは失われない。これらの霊感が絶え、悲嘆の白雪が人の心の奥までも覆いつくし、皮肉の厚い氷がこれを固く閉ざせばこの時にこそ人は全く老いて神の憐れみを乞う他はなくなる。(サミュエル・ウルマン「青春(割愛)」)

7、夢を願望に、理念を信念にまで高める。

なぜ、「流れ星に願いを唱えるとその願いが叶う」のか?
それは、すぐに消える流れ星に願いを言えるという人は、夢を寝ても覚めても心に抱き続け、潜在意識にまで透徹している人だから、突如と現れた流れ星にその願いを言うことが出来る。
言い換えれば、ただ夢を見るのではなく、「夢を願望に、理念を信念に」まで高めることが出来たから夢が叶うというわけです。本人が立てた夢や目標に対して、本当にど真剣に考えられるかどうかが、願いが叶うか叶わないかが決まります。来る日も来る日も、ど真剣にこうありたいと思う。それが潜在意識に透徹していると、自然に潜在意識の下で行動するようになります。ど真剣さ、ひたむきさが自分の願望を実現させると信じ、その大切さを胸に夢を願望に、理念を信念にまで高めましょう。神様は、誰にでも平等に人生の中でいろいろな気づきを与えてくれます。その無限な能力をインスピレーション(ひらめき)と言います。このインスピレーション(ひらめき)は、思いが潜在意識に入っていくと、思いもかけない瞬間に、ハッとひらめくように、想像を超えるようなインスピレーション(ひらめき)が神様から与えられるようになります。夢や目標を持たないうつろな心、考え続けない心には、そのインスピレーション(ひらめき)に気づくことはなく、夢や目標を実現することは決してありません。「あなたの夢は何ですか?」「今の目標は何ですか?」と聞かれて、すぐに答えることができるほど、「夢を願望に、理念を信念に」まで高めることで、インスピレーション(ひらめき)も与えられます。

8、誰にも負けない努力をする。

自然界では、あらゆる生物が過酷な環境の中でひたむきに必死で生きています。いい加減に、怠けて生きている動植物はありません。自然界では、努力を怠ればそもそも生きることはできず、淘汰されてしまう運命にあります。その摂理に従うならば、我々人間も、真面目に一生懸命に生きるということが求められるはずです。さらに、弊社のような零細企業は、誰にも負けない努力なしに立派な会社を築けません。マラソンに例えるなら、弊社は初めてレースに出場した素人集団のようなものです。それも後発だけに、遅れてスタートを切ったということです。すでに先発企業、先頭集団はコース半ばに差し掛かろうとしています。ならば、百メートルダッシュのスピードで追いかけなければ勝負にはなりません。それならば、倒れるまで全力で走る。すなわち、誰にも負けない努力で先頭集団を追いかけなければならないということです。

9、闘争心を持つ。

夢や目標、新しいことを成し遂げようとする時、まさにそこは真剣勝負の世界であり、「絶対に負けないぞ」という姿勢で立ち向かわなければ絶対に成就しません。なぜなら、そこには様々な困難が襲いかかり、私たちはえてして、ひるんでしまったり、「まあ、このぐらいでいいか」などと妥協をし、当初抱いていた目標や信念を曲げてしまうからです。こうした妥協や困難をはねのけるエネルギーのもとは、その人のもつ不屈の闘争心です。まるで格闘家のような闘争心を持ち「絶対にあきらめない、絶対にやり遂げてみせる、絶対に負けない」という激しい闘志を燃やさなければ、決してその壁を突き崩すことはできません。

10、今日一日を「生きる単位」にする。

この大宇宙から見れば、ひとりの人間の存在など本当に小さなものなのかもしれません。しかし、私たちは必然性があってこの宇宙に存在し、この宇宙が私たちの生存を認め生かされています。私たちの人生とは、そのくらい価値のある偉大なものだと考えなくてはいけません。その偉大な価値ある人生を、ただ漠然と時間を費やすことはたいへん罰当たりです。この価値ある今日一日を生きる単位と考えて、一生懸命に生きることがとても大切です。今日一日を一生懸命に生きれば、明日は自然に見えてくる。明日を一生懸命に生きれば、一週間が見えてくる。一週間を一生懸命に生きれば、一カ月が見えてくる。一カ月を一生懸命に生きれば、一年が見えてくる。今年一年を一生懸命に生きれば、来年が見えてくる。見ようとしなくても、見えてくるわけですから、常に全力を尽し、日々の小さな達成感を積み重ねて、コツコツと継続することが、一見すると遠回りに見えますが、高い目標にたどり着くためのもっとも確実な方法となります。今日一日を「生きる単位」にするということを経営に当てはめるならば、売上と経費を一日一日しっかりと見ていくということで、一日一日を「経営の単位」にする=日々採算を合せる、ということです。

11、土俵の真ん中で相撲をとること。

追い詰められてからことを起こしてはいけない、余裕のあるときに全力でことにあたること。悪くなってから、ギリギリ(土俵際)になってからようやく手を打つようなことはせず、余裕を持ってことにあたるように心掛ける。「明日、万一自分が死んでしまっても大丈夫!今日終わらせてしまおう」と、常に心掛けてことにあたること。締め切りがあろうがなかろうが、今わかっている事はどんどん終わらせてしまう。また、月次計画を日次計画に落とし込む際も、その計画値のウエイトは上旬・中旬に高めに設定し、何が起こるかわからない下旬は低めに設定すること。月末のギリギリ(土俵際)で、困り果てて対策を講じても、その数や内容は限られ、目標達成の可能性は極めて低くなってしまいます。すべてに対して、「絶対に先送りにしない」と心掛けてことにあたれば、その達成の確立や人一倍ことにあたれることになります。

12、もうダメだというときが仕事のはじまり。

ものごとを成し遂げていくもとは、才能や能力というより、その人の持っている熱意や情熱、さらには執念です。「○○がなければ○○が出来ない」と、自ら限界をつくってしまい、あきらめ癖をつくる。または、あきらめることを正当化、肯定化するような自分に都合の良い言い訳や考え方を持ち出して、頭や体を機能停止状態にしてしまう。そのようなことが当たり前にならないように、「もうダメだと、という時こそが本当の仕事のはじまりだ」と考え、すっぽんのように食らいついたら離れないという強い熱意や情熱を持ち、最後まであきらめずに粘り抜くことが、夢や目標を描き続けるために必要な考え方です。

13、心を高めるために働く。

「仕事だけが人生ではない」と言う人は、人生の中で最も大きなウエイトを占める仕事に真剣に打ち込むことのできない人、充実感が得られない人の言い訳ではないでしょうか。人は働くことによって、共に雇用を守り、お客様を守った結果、生活の糧を得ることで家族を守ることが出来ますが、それだけではありません。仕事に打ち込むことによって、人は鍛えられ、働く人の内面を耕し、心が磨かれ、深く厚みのある人格をつくることができます。欧米人にとっては、働くことは「苦痛に満ちた苦役」だと考える風潮があるようですが、日本にはもともとそのような労働観はなく、それどころか働くことはつらさも伴いますがそれ以上に、喜びや誇り、生きがいを与えてくれる行為だと考えられ、勤勉で技を磨く職人が日本人に多いのは、その深みのある労働観があったからではないでしょうか。働くということは、単に生活の糧を得るため、業績の追究のみだけにあるのではなく、人間の「心を高める」ことができる、たいへん尊い行為なのです。

14、「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのため」にある組織であること。

の行いの中で最も美しく尊いものは、人のために何かをしてあげるという利他の行為です。人はふつう、自分のことをまずは第一に考えがちですが、実は誰でも人の役に立ち、喜ばれることを最高の幸せとする心をもっています。切磋琢磨はたいへん重要ですが、人間関係や部門間がクールでドライな関係ではいけません。社会情勢により良い部門、悪い部門、生まれたての部門など、あらゆる状況が考えられる中で、よくがんばったからといって賞与を弾んだり、実績が悪いからと給与をカットするようなことをすれば、他人を妬(ねた)んだりと従業員同士の心がギスギスし、従業員の心が荒れてしまい、利己的な非協力的な集団となってしまいます。しかし、真面目に一生懸命にがんばってもみんな一緒、がんばらなくても一緒、さらにはちょっとサボっても一緒、となればどうしても士気が下がってしまいます。そのために、会社の理念と使命を理解し、会社や組織、社会に貢献してくれた部門や個人が対価を求めず世のため人のために、仲間のために尽くすことが人間として一番美しいこととして、全従業員から賞賛されるような組織・チームでありたいと思います。

15、小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり。

人間関係の基本は、愛情をもって接することにあります。しかし、盲目の愛であったり、溺愛であってはその人のためにはなりません。例えば、上司と部下の関係で、上司が自分の考えをまげても、部下の意に従おうという優しさは、一見愛情深いように見えますが、結果として部下をダメ(大悪)にしてしまいます。このような表面的な愛情は、結果的に相手を不幸にします。これを小善といいます。それに対して、信念をもって指導する上司は、時として厳しく情け容赦のない態度(非情)と誤解されることがありますが、長い目で見れば部下を大きく成長させることになります。本気で相手のことを考えて行う善行、これを大善といいます。真の愛情とは、どうあることが相手にとって本当に良いのかを厳しく見極めることが大切です。

16、謙虚にして驕らずさらに努力を。

先輩になったり、上司になったり、成功を収めたりすると、それが自分の能力によるものだと過信し、傲慢になり、往々にして人間のモラルは低下し、驕り高ぶって人を見下すようになってしまいます。謙虚な気持ちを失うと、「生きていることに感謝」するという「感謝の気持ち」は失われ、自分にとって耳の痛い言葉を受け入れる「素直な心」もなくなってしまい、成長、進歩もできないことになります。このような心では、会社組織や集団はたとえ一時的に成功したとしても、いつしかメンバー相互の協力も得られなくなってしまい成功は永続しません。謙虚さを身につけ、周りの人のお陰で自分は生きている。現在は過去の努力の結果であって、未来を保障するものではないと考え、謙虚にして驕らず、未来はこれからの努力の結果で決まります。「謙のみ福を受く」謙虚な人だけが幸福になれる。どんなに立派なことを成し遂げようとも、決して傲慢になってはいけません。

17、三毒を抑える。

三毒【貪欲(むさぼり欲しくなる欲望)、怒り(オレがオレがと怒ること)、愚痴(感謝の気持ちが少なく不平不満が多く、妬んだり、恨んだりすること)】を完全に消すことはできませんが、できるだけ、欲から離れ、怒りを鎮め、愚痴を抑えることに、知性を持ってコントロールする必要がありますが、この方法には近道はありません。この三毒は、人間を苦しめる毒素です。欲と怒りと愚痴や不平不満は言うまい、言うまい、と思ってもすぐに出てしまう。ですから、モグラ叩きみたいに出てくれば叩いて、叩いていく。実は、そのことが心を美しくしていく、魂を磨いていく大切な作業です。この三毒は仕事の上でも弊害があります。例えば、日々いろいろな場面で判断を迫られます。そんな時、瞬間的に下した判断は、おおむね三毒から出てきた答えです。相手に返答する前に一旦保留にして、「その答えには、おのれの三毒が働いていないか?私利私欲が混じっていないか?」と、自問自答することです。私心を抑え、自分のことを後回しにして判断ができるように、自分の三毒を常に意識して反省を通じて、抑える努力をしましょう。この利己的な我欲を抑えればその分、美しい利他の心が出てきます。つまり、特別な努力などしなくても反省を続けることで、えげつない利己的な心が抑えさられ、必ず利他の心が出てくるわけです。

18、反省ある人生をおくる。

例えば、政治家を選ぶ時に多くの人は、「立派な人格を持った人を選ぶべきだ」と、異口同音に言われます。しかし、忘れてはならないのは、「人格は変化する」ということです。たとえ、立派な人格の持ち主を政治家に選んでも、その人が権力の座に就いた後、次第に人格が変わっていってしまい、私たちが望んだ仕事をしてくれなくなった、また、悪事を働くようになったというケースはいくらでもあります。一方、若いころには悪事に手を染め、人間的にもいかがなものかと思われたような人物が、晩年は人間が変わったように、すばらしい人格者になったという例もあります。つまり、立派な人格者を選ぶことは大切ですが、人格、考え方は変化をするということを前提に置くべきなのです。立派な人格、考え方を維持するために、謙虚で、反省のある毎日を送っているか、いないかがポイントになります。立派な考え方を持つために努力することも大事ですが、それを維持させるための心の手入れも怠ってはいけません。毎日心の手入れをし、磨き、さらに立派なものにするために、反省のある毎日をおくることが大切です。忙しい日々をおくっている私たちは、つい自分を見失いがちですが、そうならないためにも、意識して反省をする習慣をつけなければなりません。私も、「あの時の態度はごめんなさい。どうか私を許してください。それから、私に悪いことをしたと気付かせてくれてありがとう」という気持ちを込めて「ありがとう。愛しています。ごめんなさい。お許しください。(SITH ホ・オポノポノ)」この言葉が、 いつも私を戒め、反省させてくれるのです。人が聞いたら気がふれたのではないか、と思うかもしれませんが、習慣となっています。

19、人生・仕事に判断基準を持つ。

心の訓練をしていない人が直感的に判断を下す場合、たいてい「本能」の部分で判断してしまいます。人間には自分を守ろうとする本能があり、本能は自分のことだけを考えているため、どうしても自分に都合のいい判断にならざるを得ない心で、「利他の心」と対極にあります。そこで、何か判断が必要な時はすぐに結論を出さずに、「ちょっと待て」と一度深呼吸をして、心の中で、自分のことはいったん棚に上げ、自分というものを除いて考えたときに、相手も喜び、自分も喜ぶという最良の解決法がスッと見つかります。自分さえ良ければという「本能(利己の心)」を抑え、「動機善なりや、私心なかりしか」「人間として何が正しいのか」「原理原則に従っているか」と、常に自問自答しながら物事を判断する「判断基準」を持たなければいけません。また、私心が真っ先に出してしまうと、周囲の協力は得られず仕事も人生もスムーズに進みません。経験、常識、知識、損得を優先することなく、私心がない判断基準を身につけ、純粋な心で判断できる習慣をつけること。

20、真の勇気をもって事を進める。

夢や希望、新しいことや仕事を正しく進めていくためには勇気が必要です。ふだん私たちは、周囲の人から嫌われまいとして、言うべきことをはっきり言わなかったり、正しいことを正しく貫けなかったりしてしまいがちです。困難な方が正しいと分かっていながら、勇気に欠けるところがあるから、結局安易な道を選んでしまうことがないように、仕事を誤りなく進めていくためには、要所要所で正しい決断をしなければなりませんが、その決断の場面で勇気というものが必要となります。しかし、そこでの勇気とは、真の勇気であって乱暴で向こう見ずの勇ましさとは違います。最初から度胸が据わっていてけんかっ早いという人ではなく、自らの信念を貫きながらも、節度があり、小心で最初はビビってしまうようなタイプの人が、経験を積んでいく(場数を踏む)ことによって、本当の度胸を身につけていった真の勇気が仕事には必要です。

21、公私の区別をはっきりつける。

ささいな公私混同でもモラルの低下を引き起こし、ついには会社全体を毒することになってしまいます。「一事が万事」というように、一つ許せば際限なく公私混同が起こっていく恐れがあります。ですから、私たちは、日常のちょっとした心の緩みに対しても、自ら厳しく律していかなければなりません。このようなルールは、どれほど厳しくしても、やり過ぎることはありません。なぜなら、人間というものは、自分の欲望を満足させるためには、仕事上の立場さえ利用しかねないからです。どんなささいなことであっても、日ごろから小さな不正を黙認してしまえば、事はどんどん大きくなっていって、さらに罪を深くしてしまうことになります。会社は、そのような罪や卑(いや)しい人間を育てていくようなことをしてはいけません。会社の立場を利用して個人的に利益を得ることは、仲間に対する背任行為です。「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」あるチームを目指している弊社では、「公私の区別」を非常に大切にしています。
具体的には
・勤務時間中にプライベートなことを持ち込まない。
・勤務時間中の私用電話の受発信の禁止。
・仕事上の立場を利用して、接待を受けない。
・仕事を通じてのいただきものは個人のものとせず、みんなで分け合うこと。

22、建設的に本音でぶつかる。

責任を持って仕事をやり遂げていくためには、その事ごとに遠慮なく指摘しあうことが必要です。本当は「あなたのやり方のここが問題だと思います。こうすべきでしょう」と「なあなあ」で済まさずに、絶えず「何が正しいか」に基づいてズバズバ本音で真剣に議論しなくてはいけません。ストレートなものの言い方をして人間関係が壊れてしまっては困ると思って穏便に物事を進め、どうしても建前で話してしまうことは大きな間違いです。中小企業は、毎日毎日が修羅場です、建前論で済ませられる仕事なんてあるわけありません。本音でぶつけ合うということをしなければ、組織や会社を伸ばしていくことはできないのです。ただし、そこにはルールがあります。提案もせずに、ただただ批判だけをしたり、欠点をあげつらったり、足を引っ張り合うような議論ではなく、必ず「みんなのために善かれ」ということに立脚した、建設的でポジティブな議論の場にすることが大前提です。

23、現場主義に徹する。

何か問題が発生したとき、まず何よりもその現場に立ち戻ることが必要です。現場を離れて机上でいくら理論や理屈をこね回してみても、決して問題解決にはなりません。「現場は宝の山である」「すべては現場から教わる」と言われるように、現場には問題を解くためのカギとなる生の情報が隠されています。絶えず現場に足を運ぶことによって、問題解決の糸口はもとより、サービスや品質の向上などにつながる思わぬヒントを見つけ出すことがでます。また、その事象や対象となるものをすみずみまで観察し、先入観や偏見をもつことなく、あるがままの姿を謙虚に観察することが大切です。きっとそこから、その泣き声が聞こえ解決のヒントを語りかけてくれます。

24、完璧主義に徹する。

ベストではなくパーフェクトを目指す。ベターは他に比較して相対的により良いという意味で、ベストはそれらの中で最良のものという意味。これに対してパーフェクトとは、理想に対して妥協することなく追求することを指します。「パーフェクト=完璧」とは、「ベスト=よりよい」ものではなく、「これ以上はないもの」にこだわり、目指し続けなければいけません。妥協は理想と完璧の最大の敵です。

25、常に創造的な仕事をする。

同じことを繰り返すことなく、「昨日よりは今日、今日よりは明日、明日よりは明後日」と、「通い慣れた道」を歩くことなく、毎日工夫を積み重ね、たとえわずかであっても改良改善をしていく努力を怠らぬように常に心がけること。創意工夫による一日一日の変化はわずかなものですが、三年も続けると「掃除担当者が立派なビル清掃会社を経営できるようになってしまう」ような変化を引き起こすはずです。現状に満足することなく、あらゆることに工夫を重ね、新しいことに果敢に挑戦していくという姿勢で仕事をすること。

26、大胆さと細心さをあわせもつ。

「大胆さ」「細心さ」、「情の深さ」と「冷酷さ・非情さ」、「理論的」と「人情的・感覚的」の両極端を兼ね備え、一見矛盾しているようであっても、状況に応じてうまく機能させなければならない。

リーダーの条件

はじめに

われわれは、富士山を目指しているパーティーではありません。エベレストを目指しています。もし間違って登っている人がいたら直ちに下山して下さい。考え方も訓練も装備もまったく違います。パーティーが遭難してしまいます。

リーダーにふさわしい人とは(=渦の中心になる人)

会社では、あちらこちらで仕事の渦が巻いています。気がつくと他の人が中心にいて、自分はそのまわりを回るだけで本当の仕事の喜びを味わうことができないことがあります。ならば、自分が渦の中心となり、積極的に周囲を巻き込んで仕事をする。ボケッとしていると、他の人に取り仕切られ、周囲をグルグルと走らされることになってしまうので、自分が中心となって周囲の人間を取り仕切るようにならなくて渦になりません。命令をして人を動かして中心になるのではなく、問題を提示すれば自然に人がそこに集まり、周りに渦ができ始めます。いい格好をしたいからではなく、目的意識を持っているからそうなる、こうした渦の中心になればもうその人間がリーダーなんです。

1、企業理念と使命を共有・共炎・伝承すること。

リーダーは、事業の目的と意義を従業員に熱く語ることができること。そして、従業員とその思いを共有し、実践するために共に燃え上がるまでに血肉化させること。
注意すべきは、マンネリ化してしまい、この原点(企業理念と使命)を見失ない、希薄化した時は、会社の命運は尽きてしまいます。
◆懇親会(コンパ)の実施
・目的/コンパは、単なるブレーンストーミングでもなく、どんちゃん騒ぎやガス抜きの場でもありません。向かい合っての知的バトルの場であり、お酒の力を借りて本音で語り合い、信頼関係を築き知恵を出し合う場です。壊れない関係づくりとリーダーが熱く語り部下に火をつける(理念等の共有共炎)場で、従業員と「コミュニケーション」することが目的です。
方法
1、会次第と配席表を作成する。
2、開会時には会の目的を伝える。
3、リーダーが人生共通のテーマ(音楽・夢・働くこと・人生等)について熱く語る。
4、悩みや相談を打ち明けるほどの空気をつくる。
5、愚痴・悪口の助長は絶対しない。
会費/会社が指定した懇親会に限り、1人最大3,000円(税込)を福利厚生費として支給しますが、それ以上、それ以外は自己負担になります。
◆部下への手紙
現代では希少化されている手紙に、その理念や使命などの思いを綴り、毎月の給与袋に添えて下さい。決して業務連絡の代わりに利用してはいけません。

2、一人一人が経営意識を持ち、具体的な計画と目標を立てること。

1、明確な目標(マスタープラン)を立て、達成できると信じる。
目標は、リーダーが過去のデータや経験、未来のプラス要因、予測を用いて全員が納得できる範囲の中で、最高となる数字を見出してそれを目標とする。
あまりに高い目標は、達成が不可能に思え、誰も本気で努力しようとしなくなる。あまりに低い目標は、難なく達成できると侮(あなど)られ、そのチームにそれ以上の発展や成長を望むことは難しくなる。
2、目標達成の具体的・論理的方法と行動計画(アクションプラン)を見えてくるまで考え抜く。
3、目標を達成する方法を部下に示し、信じ込ませる。
4、部下の意見を聞き、経営への参画意識を持たせる。
目標を達成するための計画段階から部下を巻き込み、「自分たちが立てたものである」という意識を全員に持ってもらい「全員参加で経営」をする参画意識を持たせます。そのためには、日ごろからリーダーが意識して、従業員の間から建設的な意見が自由闊達に出てくるような社風をつくっていく努力が必要です。「皆さんもぜひ知恵を出して、私と一緒になってこの会社の経営を考えて下さい」と言って参加を求めることで「リーダーは私にこんなに期待してくれているのか、それならば考えて期待に応えよう」となるでしょう。しかし、あえてトップダウンで決めることもありますが、その場合でも、なぜそう決めたのかを懇々と説明して、部下が当事者意識を持って納得してそのことを受け入れるまで徹底的に話し込むことが必要です。
5、ど真剣に気を込めて、今日一日を「生きる単位」にする。
月次目標から一日一日を単位にした日々の目標を正確に認識出来るようにし、一人一人にブレークダウンさせ、チームの一人一人に至るまで明確な目標を設定し、「自分の目標はこうであり、今自分は目標に対して、こう進捗してる」ということがわかるようにする。
6、部下に火をつける。
・組織を率いていくという強い精神を持つ。
・なぜ頑張らなくてはならないのか、その意義をことあるごとに熱く語る。
・目標を達成する具体的な進め方を指し示す。
・目標達成への熱意をリーダーと同じレベルにまで引き上げる。
・部下から心底から目標を達成できるという自信を持たせること。
・小さな達成感をつくり、仕事を好きにさせる。
結果として、部下が「はい」と答えた程度なら成功確率30%
「全力を尽くします」と力強く言ったなら成功確率50%
「この事業は自分たちのものである」と考えたなら成功確率90%です。
7、強い意志で何としても実現させる。
立てた計画目標を予期せぬ経済変動などに合わせて修正を続ければ、目標は有名無実となるばかりか、やがてリーダーは部下から信頼を失うことになります。時にリーダーは、「いくら強い意志を持っていても部下がその通り動いてくれない」と思うことがあると思いますが、それはリーダーが部下の前で、本当に強い意志を口先ではなく態度を見せているか?なのです。「リーダーがあんなに必死に頑張っているのだから、自分たちで何とか助けてあげよう」と、部下から思われるくらいに、献身的な仕事ぶりを発揮すればどんなに厳しい環境下であろうとも、チームは一丸となり、目標達成に向けて邁進していくことができます。
8、小さな達成感をつくり、仕事を好きにさせる。
小さな目標をつくりそれに打ち込ませ、それをやり遂げさせることで、小さな達成感と小さな自信が生まれます。その繰り返しの中で、いつしか仕事が好きになります。そして、また次の目標に挑戦する意欲へとつながり、さらに仕事が好きになります。このように、小さな達成感を積み重ねることで、好循環をつくり、その結果、仕事を好きにさせることが出来ます。

3、見えてくるまで考え続け、シンプルになるまで考え抜くこと。

その計画や目標の必達のための行動計画(アクションプラン)は、中途半端な考えで計画や実行をせずに、その様子がイメージできるほど、色や顔まで思い描けるほど具体的で、シンプルになるまで考え抜いてから計画実行すること。何度も何度も頭の中でシミュレーションを繰り返していると、ついには夢と現実との境がなくなり、まだやってもいないことまでもが、あたかもやれたかのように感じられ、次第にやれるという自信が生まれてきます。これが「見えてくる」という状態です。こうした「見える」状態になるまで深く考え抜き、複雑だった事柄も単純にとらえなおし、美しくシンプルになっていけば、困難な夢や目標、計画もかならず成功します。考えが複雑で説明に時間を要すようでは、まだまだ考えが浅い証拠です。リーダーは、常に真剣に考える習慣を付け、どんなことでもど真剣に物事について、見えてくるまで考え続け、シンプルになるまで考える習慣をつけることが大切です。
【仮説】
・お客さまの立場と目線で考え抜く
例)個人練習するお客様はきっと○○のはずだ、だから○○がきっと喜ばれるだろう!
・現場の声やお客の声、データで検証する
・常識や過去の体験、思い込みにとらわれないこと。
・協力者をつくり、計画・挑戦する。
・協力者にその目的と意義を伝えること。
・具体的な計画と目標を数字および時間で明確にすること。
・妥協を許さずやりきること。
【検証】
・次回の検証データとするために、場所、枚数、画像等で具体的に集計し検証報告すること。

4、潜在意識に透徹するほどの夢と願望を心に抱き、明るい未来を描くこと。

目標と計画を実行するためには、その思いの深さがとても重要です。寝ても覚めてもその思いが浸透している、体のどこを切ってもその思いが血のごとく流れてくるぐらいに透徹すると、日々の気にしていなかった出来事や些細なことがそのヒントになったり、ひょんなことで閃いたりと様々な恩恵を受けます。また、すばらしい明るい未来があると信じた時から、想像もしなかったほどの素晴らしい人生が必ず開かれます。
実務として
目標や計画を掲示したり、公言したりと声に出し宣言する。
今日一日を「生きる単位」として、誰にも負けない努力をする。

5、売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑え採算を合わせること。

売上が多くなれば経費もそれに従って増えていくという思い込み、売上が上がることで些細な経費が気にならなくなったり、贅沢になったり、先読みをして経費をかけたりと、疑いもなく常識としてきた考え方を捨てましょう。日々変動する売上を把握して少しでも増やし、経費を少しでも減らすことを必死に工夫して、しっかり採算を合わせる経営をします。また、末端の従業員までこの経営情報が共有されることが、計画に全員参加できる大前提となるので、経営は公明正大でガラス張りで行う必要があります。売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑えた結果、採算は向上(=利益が向上)し、全従業員の生活の質を向上させていくことになります。と、同時に事業活動における社会的な使命を永続的に提供することが可能になります。私たちは余裕ができると、ついつい「これくらいはいいだろう」とか、「何もここまでケチケチしなくても」というように、経費に対する感覚が甘くなりがちです。その結果、無駄な経費がふくらみ、会社全体では大きく利益を損なうことになります。そして、ひとたびこのような甘い感覚が身についてしまうと、状況が厳しくなった時にあらためて経費を引き締めようとしても、なかなか元に戻すことはできません。ですから、私たちはどのような状態であれ、常に倹約を心がけなければなりません。職場にあるボールペン1本、コピー用紙、点きっぱなしの照明などが、まさにお金そのものに見えてくるまで、全従業員の採算意識を高め、出ていく経費を最小限に抑えることは、私たちにできる最も身近な経営参加です。

6、捨てない寝かさないこと。

備品消耗品や仕入は、その月に必要な分だけを購入すること。備品消耗品は、必要最小限にして、メンテナンスと維持を厳守し、無駄な使い方をしたり、粗末にしたり、在庫になり腐敗し廃棄処分することがないようにすること。また、故障や不具合が発生した場合は、すぐに廃棄処分するのではなく、修理できないか?部品取りはできないか、再利用はできないか?を第一に考えること。
日次棚卸を実施し、その月の販売数量と適正在庫数量を厳守し、その月に経費処理すること。その結果、その月に必要な経費と仕入および在庫が明確となっり、月次の利益変動が小さくなります。

7、値決めは経営、値決めはリーダーがすること。

売上を最大限に伸ばすには、値段のつけ方が決め手となり、経営の死命を決する問題であるため経営責任を負える者がその値決めをします。値決めは、原価+利益=売値という原価積み上げ式で売値を算出のではなく、四方(お客様・社会・従業員・会社)にとって良いとする価格、お客様が買っていただける一番高い価格、市場で通用する最高の価格であり、その価格は一点しかありません。よって、その一点を見極める調査、技術、知恵、感覚を持つことが極めて重要になります。そして、値決めをする瞬間だけではなく、その価格から利益が取れるように仕入、原価などのコストダウンにも責任を持って経営をしていきます。

8、「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのため」にある組織であること。

人の行いの中で最も美しく尊いものは、人のために何かをしてあげるという利他の行為です。人はふつう、自分のことをまずは第一に考えがちですが、実は誰でも人の役に立ち、喜ばれることを最高の幸せとする心をもっています。切磋琢磨はたいへん重要ですが、人間関係や店舗間がクールでドライな関係ではいけません。社会情勢により良い部門、悪い部門、生まれたての部門など、あらゆる状況が考えられる中で、他を妬(ねた)んだり、利己的な非協力的な集団ではなく、切磋琢磨の中でみんなのために努力を惜しまないような集団を築きます。その報いとして、「代償を求めず仲間のために尽くすことが人間として一番大切なこと」として、物質的に報いるのではなく、賞賛と賛辞で名誉を与えます。
また、信頼関係を築き、絆を強くするために、行事を行います。この行事は、「みんなで遊ぼう」ということではなく、従業員同士の絆を強め、信頼関係をさらに強固なものにすることが目的で、上司と部下との関係ではなく、「同志としての関係を築く」ために、会社の行事はたいへん重要な「機会」なります。信頼関係・絆を強くする方法は、「お互いに相手を知り合うこと」が始まりであって終わりでもあります。決して、約束事や取り決めでそれは築けるものではなく、「あの人と話をした」「あの人と食事をした」というような単純なことが信頼を築くベースになります。行事を通じて、四角四面で話すのではなく、行事やお酒、食事をしながら「知り合う」ことです。その為にも会社行事は全員参加を鉄則とすること。
◆人事権の委譲
・人事権
面談、採用、研修、勤務計画、考課、解雇
・人選
学歴や知識多才者ではなく、優れた人格を最優先させること。
・勤務計画
・分け隔てなく平等公平に配置すること。
・月平均週20時間を超えない(1年を通じて超えると雇用保険に強制加入)
・月平均週30時間を超えない(1年を通じて超えると社会保険に強制加入)
◆モチベーションを維持する
・合同懇親会(年2回)の実施
・店舗業績表彰
・キャンペーン表彰
・勤続表彰
・創意工夫改善提案表彰 など
◆信頼関係を築く
・懇親会の実施(事あるごとに)
・一日一日、一人ひとりに目標を持たせる。
・その日の予約状況により意図的に業務を振り分け、何もしない時間をつくらず、常に動いているか、考えている時間にする。
・任せて、挑戦させて、後押しする、そして認め、能力を引き出す。
・独走型(ワンマン)は×、巻込み型○。
・ポリスマン型×、ティーチャー型○。ミスをしないことを第一としないで「気づかせる」こと。

9、自主的(マニュアル最低限)、自立的(ワンオペで任せる)、協調的(全員参加)な組織をつくること。

人間の可能性と長所を信じて、「教え過ぎない」「決め過ぎない」「隙間をつくる」事とし、マニュアルは最低限にして一人ひとりに任せる自立型ワンオペレーションを樹立し、「積極的な人=自燃性タイプ」を創り、自主性があり責任感のある組織にします。また、従業員の参加意識と協調性を高めるために、お店が企画する、「小さなお祭り(イベント)」への参画と協力は、最も身近な方法です。
「積極的な人=自燃性タイプ」をつくる方法
1、仕事を好きになってもらうように仕向ける
2、明確な目標を持つ
3、部下や仕事を任せ、責任感を持たせる
4、使命感を抱かせる
「積極的な人」とは
1、勝ち気である
2、言われる前に考え、行動している

10、「親父の背中」となること。

マニュアルを見ながらの業務は現実的ではありません。日々の細かな業務、ちょっとしたお客様へのおもてなしなど、アニュアルでは限界があります。少しずつ実務で覚え、習慣化していくことで本物になっていくのです。一番シンプルな方法は、小さな子どもが親を見ながらそれをマネて、生きる術(すべ)を覚えていくように、会社でも現場でも部下が上司をマネて、覚えていくことが最善です。但し、良いところばかりをマネするわけではありません。自分に都合のよいところ、楽なところもマネをしてしまいます。従ってリーダーは、いつもそのことを肝に命じて、すばらしい見本になるように、自ら心を高め魂を磨いて率先垂範することが必要です。
◆叱り方と褒め方(シンクロナイズドスイミング日本代表ヘッドコーチ 井村雅代 氏)
部下に、「自分の限界をつくらせない」で「可能性のある自分から逃げない」
1、気分で叱らない。
2、その場で叱る。
3、昔のことで叱らない(しつこく叱らない)。
◆褒め方
1、ゴールを明確にする。
2、決して練習では褒めない。
3、必ずゴールで褒める。

11、働き方基本三原則を徹底させること。

ご挨拶三法 (人格の原点)、お掃除三法 (勤労の原点)、改善三法 (進化成長の原点)を末端のどの従業員でも当たり前となるように徹底すること。どんなに繁盛しても、どんなに不況になっても、一切気を抜かずこの基本に徹すれば、どんな戦術戦法に勝るものは絶対にありません。更にリーダーは、刻一刻と変わるお客様のニーズにお応えするために、同じことを繰り返すことなく、現状に満足することなく、常に「これでいいのか」ということを常に考え、同時に「なぜ」という疑問をもち、昨日よりは今日、今日よりは明日と、日々建設的に提案し、改善、改良を重ね、速やかに仕組化をすることで進化成長へとつながります。また、毎日毎日繰り返される、地味な仕事にも面白味が加わり、仕事も飽きることなく充実した毎日になるでしょう。
◆実務として
業務チェックの遂行と徹底。
研修の反復。
神様の声と改善提案の促進。

12、仕組みづくりで罪人をつくらないこと。

人は誰しも単純なミスを起こすことがあります。また、してはならないと知りながらも、つい魔が差したように不正を行ってしまうかもしれません。これを前提に従業員に罪をつくらせないために仕組みをつくります。罪は些細なこと、少額なことから始まります。これはマネジメントの責任、会社の責任です。不正をしようと思ってもできないシステムにしておけば、人を罪人にすることなく「仕組み」づくりで未然に防ぐようにします。
・一対一対応/人、物、金、すべてものが動く時には必ず伝票を付けて動かす。
・ダブルチェック/二人以上で確認する。

OWAU NO KA “I”